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妊娠した非正規社員の過半数「産休を取得できず」 マタハラ被害のアンケート調査結果
非正規社員の「出産と仕事」をめぐる厳しい現実が明らかになった。NPO法人「マタハラNet」が、非正規で働いたことのある女性を対象に、マタニティ・ハラスメントの実態を調査するアンケートをおこなったところ、「出産後も働き続けたい」という希望がかなった女性は4分の1しかいないことがわかった。
マタハラNetが11月25日、東京・霞ヶ関の厚生労働省記者クラブで会見を開いて、明らかにした。調査は9月2日〜18日、マタハラNetのブログ上で実施。現在20〜50歳の女性で、妊娠した時点で非正規(契約社員・派遣・パート等の有期契約労働者)だった人を対象におこない、165人から回答が寄せられた(有効回答数158人)。
調査によると、81%の女性が「出産後も働き続けたい」と希望していたのにもかかわらず、産休と育休を取得して職場復帰できたのは、そのうち24.2%にすぎなかった。
20代大学生、実家追い出され「学費と生活費ください」 親は払わなければいけない?
大学の学費は、どうしていましたか。両親から学費や生活費を出してもらえなくなったという20代の男子大学生が弁護士ドットコムに相談を寄せています。
相談者は実家から国公立大学に通っています。最近両親との関係が悪化し、ついに追い払われることになりました。「両親に迷惑はかけまい」と自力でやりくりしようとしましたが、親の収入基準から、奨学金を利用することも難しく「早くも頓挫しそう」と話しています。
今回のような場合、親が「仕送り」をして大学生を扶養する義務は生じるのでしょうか。大村真司弁護士に聞きました。
岡口判事の弾劾裁判、判決が4月3日に延期 任期満了ギリギリのタイミング
裁判官をやめさせるかどうかを判断する弾劾裁判にかけられている仙台高裁の岡口基一判事(職務停止中)への判決言い渡しの期日が、予定より1週間遅れの4月3日になった。3月11日、裁判官弾劾裁判所が発表した。
弾劾裁判では、国会議員14人が裁判員を務める。判決言い渡しに先立って裁判員が評議をおこない、出席者の3分の2以上の賛成があれば罷免となる(裁判官弾劾法31条)。
裁判官弾劾裁判所は、評議に関する質問には「回答できない」としているが、3月4日に弁護士ドットコムニュースが取材したときには、裁判員のうち2人が欠席し、12人で評議を実施すると回答していた。予定が変わっていなければ、8人以上が罷免に賛成すれば罷免となる。
逆に不罷免を目指す岡口判事側からすると、評議に参加する裁判員が14人でも12人でも、反対が5人以上いないと罷免という状況は変わらない。
なお、岡口判事の任期は4月12日までだという。任期満了までに判決が出ない場合、その時点で弾劾裁判は終了となるため、ギリギリでの判決となりそうだ。
女子中学生に性的暴行、元衆議院議員に「執行猶予」がついた理由は? SNSでは「軽すぎる」と批判も
元衆議院議員(旧日本維新の会)の椎木保氏が、中学1年の女子生徒に対する不同意性交罪に問われた裁判で、東京地裁は2月3日、懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡したと毎日新聞などが報じました。
この判決に対し、SNSでは、衆議院議員まで務めた人物による女子中学生に対する卑劣な犯行であり、「執行猶予がつくのはあまりにも軽すぎる」といった批判も聞かれます。
刑の重さはどのように決まっているのでしょうか。簡単に解説してみます。
ジャニーズ性加害は「緻密で悪質」 被害を認識しづらい「男子」特有の実態とは?
ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川氏(享年87)による性加害問題をめぐり、被害者たちが相次いで声をあげている。
元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんと橋田康さんは、記者会見を開いて、当時の被害を告白した。ジャニー氏のマンションや宿泊先のホテルで性器を触られるなどし、翌日1万円を手渡しで渡されたという。
世界で広がった「#MeToo運動」をはじめ、この数年、多くの女性が性被害について声を上げてきた。一方で、男性(男子)の性被害の実態については、まだまだ知られていない。
見過ごされがちな男子の性被害とは、どういうものか。性被害を受けた子どもに対し、大人はどうすればいいのか。子どものトラウマにくわしい武蔵野大学の藤森和美名誉教授に聞いた。
テレワークで「職場対立」減少、「メンタル不調」「夫婦不仲」は増加 民間調査
新型コロナウイルスの感染拡大は、労働環境や家族関係にも大きく影響した。日本の労働者はどんな課題に直面したのか。民間の相談窓口に寄せられた内容を分析した結果が11月4日に発表され、育児との両立にストレスを感じる人は減ったものの、自身のメンタルヘルスの不調を訴える人が増加したことがわかった。
調査結果を発表したのは、臨床心理士や産業カウンセラーによる従業員支援プログラムを提供する「ピースマインド株式会社」。このプログラム相談窓口に寄せられた分析可能な1万2545件の相談(2019年4月〜2021年9月)から、コロナ禍前後の相談傾向の変化を分析した。
なお、相談者の年齢、性別、役職などの属性は明らかにされていない。
ピースマインドによる資料
その相談内容を分析すると、2019年度上半期(4〜9月)と2021年度上半期にかけて顕著に増加、減少した相談があることがわかった。
増加した相談は、「自分のメンタルヘルス(不調)」(94%増)、「職場のストレス(仕事の質や量の悩み)」(63%増)、「仕事上の対人関係」(61%増)、「家族・パートナー関係」(31%増)と続く。
減少した相談は、「子どもの教育問題」(21%減)、「職場の対立関係」(21%減)、「金銭問題」(11%減)、「育児の問題」(6%減)だった。
ジェットスター労組メンバーへの懲戒処分「無効」判決、一審で確定へ 会社「控訴しない」
航空会社ジェットスター・ジャパンの客室乗務員2名が出勤停止処分の無効確認等を求めた訴訟で、両名に対する処分の無効を認め、出勤停止期間分の賃金支払いなどを命じた12月2日の東京地裁判決(郡司英明裁判官)について、会社側が控訴せず確定することが原告・被告双方への取材でわかった。
ジェットスター・ジャパンの広報担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、控訴しない理由について、「一部、懲戒事由の存在についての当社主張は認められているものの、懲戒処分のプロセスが適切ではなかった部分があり、当社社員に対する懲戒処分は認められない結果となった」と回答。「当社としては判決内容を受け入れ、控訴は行わないこととする」とした。
原告となった労働組合「ジェットスタークルーアソシエーション」(JCA)執行委員長の木本薫子氏と副執行委員長の片桐麻記氏は、「裁判所が私たちの主張を汲み取り、賢明な判断を示してくださったことに心より感謝申し上げる」とコメントした。(編集部・若柳拓志)
アマゾン「中傷レビュー」投稿者の発信者情報開示を命じる判決
アマゾンの書籍レビュー欄に「中傷コメント」を書き込んだユーザーは誰なのか――。東京都内のNPO法人が発信者情報の開示を求めて、運営会社のアマゾンジャパンを相手取った訴訟で、東京地裁は3月25日、同社に対して、ユーザーのIPアドレスのほか、氏名や住所、メールアドレスの開示を命じる判決を下した。判決は4月8日、確定した。
通常、匿名のユーザーを特定するには、サイト運営会社を相手に、IPアドレス開示を求める仮処分を申請する。裁判所の命令にもとづいてIPアドレス開示を受けたあと、さらに、プロバイダに対して、氏名や住所などの情報を開示するよう求める。このように「2段階」の手続きが必要だったため、中傷を書き込まれた側にとって、発信者を特定するにあたって期間と費用がかさんでいた。
今回は、サイト運営会社に対する1回の手続きで、IPアドレスだけでなく、氏名や住所、メールアドレスが開示されることになった。原告代理人の一人である山岡裕明弁護士(法律事務所クロス)は、弁護士ドットコムニュースの取材に「確認できるかぎり初めてのケース。意義のある判決だと考えています」と語った。
「松屋」客が七味容器くわえた写真を投稿して炎上ーー店がとりうる「法的対応」は?
牛丼チェーンの「松屋」で、客が七味唐辛子の容器を口に付けている様子を撮影した写真がツイッターに投稿されて、炎上する騒動が起きた。
写真は8月3日ごろ、ツイッターに投稿された。男性客が店のカウンターで、備え付けの七味容器のフタを開けて、口にくわえているかのような様子が写っている。まとめサイトなどで転載されて、投稿者に対する非難があいついだ。すでに投稿者のアカウントは削除されている。
運営会社の松屋フーズは8月4日、公式サイトに「お客様に大変ご不快な思いをさせてしまいました」として、謝罪する文書を掲載。写真が撮影されたのは愛知県瀬戸市の店舗で、カウンターの七味はすべて廃棄したという。
さらに、松屋フーズは今回の客の行為について「法的対応を含め厳格な対応を検討いたします」と説明している。「法的対応」というと、どのようなことが考えられるのだろうか。田沢剛弁護士に聞いた。
港区立幼稚園で「心理的に心を痛めた状況が確認された」いじめに類する行為に関する報告書公表
東京都港区(清家愛区長)は9月30日、区立幼稚園で発生した幼児同士のいじめ類する行為をめぐる申し立てに関する調査報告書(9月26日付)を公表した。
報告書によると、2人の幼児(A児とB児)はもともと同じ保育園に通っていたが、B児の強い口調や自慢などの言動によって、A児は登園を渋るようになり、区立幼稚園に転園した。
その後、B児も同じ幼稚園に転入し、A児を追いかけるなどしたため、A児は登園できない状況が続いたという。
A児の保護者は4月25日、区教育委員会に申し立て、「心身的に重大な被害が生じた疑いがある」として、トラウマ反応(PTSDの疑い)が記載された診療計画書も提出していた。